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東洋医学の健康観

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東洋医学の考え方では「気(き)」は人体を構成する物質の元であり人が活動する上で欠かすことのできない生命エネルギーです。

また、気が集まって変化したものが「血(けつ)」です。

気と血は全身に張り巡らされた「経絡(けいらく)」と呼ばれるルートを循環しており「経穴(けいけつ=ツボ)」のある体表付近だけでなく「五臓六腑(ごぞうろっぷ=内臓)」など体の奥深くにも生命エネルギーと栄養物質を行きわたらせています。

この全身を巡る気血の働きにより私たちは正常な生命活動を営むことができています。

しかし、何らかの原因で気血の流れが悪くなったり不足したりすれば健康を保てなくなり病気にかかりやすくなるわけです。

このように不調はあるけどまだハッキリ病気とは言い難い状態を東洋医学では「未病」と呼んでいます。

東洋医学における病気の原因

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気血の流れが正常でなくなる原因は、まず七情(怒・喜・思・悲・憂・恐・驚)の乱れ=精神的ストレスが持続している状態です。

これにより経絡を流れる気血に滞りや不足(虚)が発生します。

滞りや虚の状態が放置されると気候変動(風・暑・湿・燥・寒=外邪)に遭った時に体が上手く反応できなくなり、これによって気血の病的な過剰(実)が起こる場合があります。

このような気血の過不足=虚実(バランスの崩れ)は、食事の不摂生・運動不足・以前に受けた怪我や病気によっても起こります。

もし今これを読んでいるあなたに肩こり・腰痛といった症状があるとしたら、その表面的な症状は貴方の身体の内側にバランスの崩れがありそのことを知らせてくれる警告サインなのかもしれません。

そのような内側の乱れのサインに気づいたら「やがて重大な疾患に結びつく前」つまり「未病」のうちに根本的な治療を受けられることをお勧めいたします。

バランスを回復する施術

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東洋医学では、陰陽(臓と腑の表裏関係)と五行(木火土金水に対応する五臓の相互関係)が様々に影響を与え合い最適なバランスを保つことで生命力(=自然治癒力)を高めていると考えます。

五臓(肝・心・脾・肺・腎)と六腑(胆・小腸・胃・大腸・膀胱・三焦)は、私たちの体で「呼吸」「飲食物の消化・吸収」「気血の生成・循環」「不要物の排泄」「免疫」といった機能を果たしています。

多くは西洋医学の内臓と同じ名前を持ち機能的にも重なる部分が多いのですが、これらは臓器そのものではなく「それぞれの臓器が果たす機能」に「肝」や「腎」といった名称がついているものだと考えて下さい。

また五臓六腑に注ぐ気血のルート(経絡)には「肝経・腎経」あるいは「胃経・三焦経」といったように各臓腑の名前がついています。

この五臓六腑を相互につないで全身に気血を巡らせている経絡に気血の虚実(アンバランス)が起こって病気が起こることは上記したとおりです。

このアンバランスを的確に診察し過不足を整えるための治療方針(=証)を立てふさわしいツボ(経穴)を選び微細な鍼(はり)の操作で「気」を整える施術を行うのが当院で行う経絡治療です。

鍼灸施術と免疫力
~withコロナ時代にも~

免疫力アップイラスト

人間の免疫力には自然免疫と獲得免疫とがあります。

一度かかったウイルス病に、二度目は罹りにくくなることが「獲得免疫」と呼ばれるもので、白血球の一種であるB細胞と抗体、およびT細胞などによるものです。

これに対し、ウイルスや細菌が入り込んだ細胞を破壊して蔓延を防ぐことが「自然免疫」で、白血球の中のマクロファージや顆粒球、NK細胞などによるものです。

伝統派の鍼灸施術には、この自然免疫の機能を高める作用があると考えられ、いわゆる自然治癒力にあたります。

この自然治癒力を高めれば、基礎疾患の緩解もコロナウイルス予防も同時に可能だと思われます。

感染しても多くの方(約80%)が無症状のままで肺炎を起こさないとされるコロナウイルスですが、免疫力を高める伝統派の鍼灸施術ならば、たとえ感染しても抑え込める可能があると考えております。

経絡治療の臨床

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経絡治療の臨床では治療方針(=証)を立てる段階から治療の終了まで脉診が全ての基準となります。

脉は刻一刻と変化する患者様の身体の内側の現状を正確に反映していますので、脉の状態が良くなるような施術を行えば身体は自然治癒力が働いて病気が治る方向に向かうのだと考えられます。

鍼を打つ前や一本鍼を打つごとに脉診し常に患者様の「内なる身体の声」に耳を傾けながら丁寧に慎重に施術を進めていきます。

鍼を打つツボは微妙な刺鍼でも脉に大きな影響を与える施術ポイントですから粗雑な刺鍼や深刺しは禁物です。

言ってみればツボは刺激のポイントではなく「気を補う」「滞りを無くす」といった情報を入力するキーボードのようなものであり、情報入力の際にキーを力いっぱい叩く必要はないと言う事です。

ですから髪の毛のように非常に微細な鍼や、時には全く刺さない鍼による施術でも自然治癒力が高まり症状が改善に向かうのだと考えています。

以上のように極めて低刺激の施術ですので安静が必要な妊婦さんにも安心して受けていただけます。

経絡治療の歴史

陰陽図

鍼灸治療は、約三千年前の古代中国に興り日本には千数百年前の飛鳥時代に伝わったとされています。

その後日本国内でも様々に変容し明治時代に西洋医学が正当医療とされて一時衰退しましたが、昭和初期に柳谷素霊先生によって東洋医学の古典を見直す動きが興りその後に井上恵理・岡部素道・竹山晋一郎の三先生の活躍により鍼灸界で大きな流れとなって復活を遂げたのが「経絡治療」です。

経絡治療にも様々な流れがありますが目的とする所は一致していますので、これは特定の流派というよりも一つの「ブランド」と言ってしまっても良いでしょう。

当院が行う鍼灸施術も、この経絡治療の一つの流れを汲むものです。

生涯現役を応援する鍼灸

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寝つかずに自分の事を自分で出来る健康寿命と実際の寿命との間のズレは多くの人では「介護期間」に相当し、ズレが大きくなればQOL(生活の質)も著しく低下していきます。

最近この「ズレ」が開いていく傾向にあります。

延命技術の進歩により寿命が延びたことが高齢化の原因ですが、高ストレス社会と食の欧米化によって健康が損なわれる年齢が低下した為、介護期間が長期化している訳です。

それでは、この「ズレ」を最小限にとどめて生涯現役を保つにはどうすれば良いでしょうか?

介護状態や「寝たきり」になる原因の中で最大のものは「転倒」による骨折です。

転倒の原因は小さな段差を越える際に脚が上がらないという場合が多く骨折の原因には骨粗鬆症も関わっています。

寿命が伸びたことで高齢者がもっとも心配されるのは認知症でしょう。いずれも加齢が大きな原因です。

東洋医学では、老化は「腎虚」の状態だと考えられていますが「腎」は脳にも骨にも深く関係しています。

「骨折→寝たきり」や「認知症」といった症状は東洋医学にもとづく鍼灸・経絡治療では一概には言えませんが主に腎虚証で対処することになります。

治療を続けて頂く事で「転倒や認知症の発症を予防」・「眠りの質の改善」・「痰の切れを良くして誤嚥性肺炎を予防」等、老化そのものも緩やかになったりすると考えています。

また経絡治療は、様々なストレス病・生活習慣病もケアできますので高齢者のQOL(生活の質)を悪化させる様々な症状を若いうちから予防することも可能です。

つまり経絡治療を定期的に受けて頂ければQOL(生活の質)が保たれて人生の後半をより楽しむ事ができ、生涯現役でいられる可能性も高まって在宅での自然な終末期医療や看取りまでが可能になると考えています

トータルで考えれば結果として医療費の総額も安くなるのではないかと思われます。

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